石鼎地区におけるCuora flavomarginataの保護とパトロール・プロジェクト
永安村(台湾新北市)のほぼ半分は飛水貯水池流域にある。厳しい開発法によって村の浅い山の多様な生態系が保護され、絶滅危惧種であるCuora flavomarginataと Mauremys muticaの安定した生息地となっている。密猟の問題に対処するため、林業局は2013年にこの地域を「飛水貯水池Cuora flavomarginata野生生物保護区」に指定した。
地元住民の保護に対する懸念に呼応するように、永安コミュニティ開発協会は2021年にパトロール・チームを設立した。また、永安村役場と協力し、野生生物の生息地を保護し、貯水池の水質を維持する環境に優しい農法に移行する茶農家を支援している。
影響
永安コミュニティ開発協会のパトロール・チームは4つの定期ルートを確立し、密猟事件が大幅に減少した。地元の農家4軒がエコ・フレンドリー農家として認定され、同協会はマイクロ気象観測所、土壌センサー、カメラ・トラップといったスマート農業技術を導入した。これらのツールは農家が農作物をより効果的に管理し、地域の生態系に関する貴重なデータを記録するのに役立つ。このデータは、気候変動への適応戦略や作物の病気や害虫の管理に利用できる。また、高齢化した農家が農法を改善し、新規就農者が農業に移行しやすくし、自然災害に対するコミュニティの回復力を高めるのにも役立つ。さらに、永安小学校の使われていない校舎は環境教育コースに活用され、エコツーリズムの拠点として、また高齢者と若者の共創の場として役立っている。さらに、国立政治大学の大学の社会的責任プロジェクトは、大学生を派遣して地域社会を支援している。自然保護活動、地元茶ブランドの振興、世代間の協力の組み合わせを通じて、コミュニティは自然と持続可能な生活の調和を目指している。