シャルム・エル・シェイク(エジプト)、2018年11月23日(IUCN) - 市民社会がどのようにビジネスと関わることができるかを探る新しいパノラマテーマは、今月ここで開催される国連生物多様性会議の主要な目的である、さまざまなセクターを横断して生物多様性を主流化するための新たなパートナーシップと行動を拡大することを目指している。
IUCNは本日、「PANORAMA - Solutions for a Healthy Planet(パノラマ-健全な地球のためのソリューション)」イニシアチブの一環として、同会議においてビジネスとの関わりに関する新たなテーマ別コミュニティを立ち上げた。PANORAMAイニシアチブのこの拡張は、市民社会組織が、建設的な意見や技術的ガイダンスをビジネスに提供する上で直接的に、また企業が活動する法的・財政的環境に影響を与えることで間接的に果たすことができる役割を認識するものである。
「IUCNのビジネスと生物多様性プログラムのプログラム・オフィサーであるナディーン・マコーミック(Nadine McCormick) 氏は、「ビジネス・エンゲージメントのケース・スタディーは、地方、国、地域レベルで複製・拡大可能な様々なアプローチやツールを取り上げることで、ピアツーピア・ラーニングを促進する」と語る。
パノラマ・ビジネス・エンゲージメント・テーマは、IUCNのバイオビズ・エクスチェンジの一環であり、AFD(フランス開発庁)の支援を受けて、CSOにビジネス・エンゲージメントに関する研修と能力開発を提供するプロジェクトである。 パノラマ・イニシアティブは、「解決策」を達成するために使用された主要な成功要因やアプローチを文書化し、他の人々にインスピレーションを与えることができる。
例えば、世界的な電力会社であるAESレバントとIUCNのプロジェクトでは、生物多様性の劣化や土地利用の急激な変化の影響を受けているアンマン東部の地域コミュニティと協力して、10年間のコミュニティ環境計画を策定している。
その他の例は以下の通り:
- タンザニアでは、アフリカ野生生物基金(African Wildlife Foundation)によるイニシアチブが、国内最大の米生産者のひとつである農家と協力し、森林、水源、野生生物を景観レベルで保護しながら農業生産性を向上させている。
- インドでは、DPCL-Dhamra Port Company LimitedとIUCNのパートナーシップにより、科学的根拠と地域社会への働きかけを活用し、大規模な深海工業港の建設がインドで絶滅の危機に瀕しているウミガメの個体群に危害を与えないようにした。
- カナダでは、マスクワ・ケチカ管理地域の設立と保護によって、エコツーリズムなどの他の活動が可能になり、原生地域の質を維持するために資源開発が最小限に抑えられた。
PANORAMAの新しいビジネス・エンゲージメント・テーマの詳細については、12月13日、1100-1200 CET(中央ヨーロッパ標準時)に開催されるウェビナーにご参加いただくか、こちらからご登録いただくか、biobiz@iucn.org までご連絡ください。
PANORAMAの詳細については、ウェブサイトhttps://panorama.solutions/をご覧ください。