調査は、環境、歴史、土地利用パターン、政府の政策に関するデータを収集する。その結果、意思決定の根拠が得られ、コミュニティ、民間企業、政府を巻き込むことができる。私たちのケースでは、研究者はゾウのような動物の移動コリドー(回廊)や、ヌーのような他の動物の移動ルートや季節を地図に書き出すことができた。これは、保護区の境界を設定する際や、政策立案者や地域社会を巻き込む際に有用な指針となる。調査は、国内外での広報キャンペーンに有益な情報を提供し、利害関係者の支持を得やすくする。
調査はまた、予測を立て、プラスとマイナスの変化の傾向を示すモニタリングを実施する際にも有用である。私たちは、大型ネコ科動物のような絶滅の危機に瀕していた動物種の個体数が劇的に回復したことを示す、非常に有用な調査データを入手した。また、社会経済的なデータもあり、保護区のポジティブな影響の結果として、保護区を囲む地域社会における収入の増加傾向や生計の向上を示している。
評判の高い企業や機関、個人から研究への関心を集めるような国家的関心がなければならない。研究者は、人々や環境の中で研究活動を行うための支援や促進が必要である。関係者は科学的な情報を受け入れ、国民や国のためにより良い決定を下すために研究結果を活用することに関心を示さなければならない。
研究課題は、科学にとって興味深いものであるためには、真に理論的な疑問に答えなければならない。そうして初めて、その方法論が学術的に受け入れられ、その結果が意思決定や計画立案の根拠として十分に信頼できるものであるために、必要な支援や教育機関の認定を得ることができるのである。例えば、マサイマラでは、野生動物が減少している証拠を示すことが、それがなぜ起こっているのかという疑問に答えることと同じくらい重要だった。また、より広い地域における土地利用の傾向を理解し、土地の細分化や農業や不動産開発など他の土地利用活動の急増による野生生物の生息地の減少と関連付けることも重要だった。
また、研究プログラムや目的の設計に先住民コミュニティを参加させ、彼らの歴史的、文化的、逸話的知識を活用することも非常に重要である。