国境を越えた国立公園における持続可能な観光の強化
自然志向の観光や自然のレクリエーション利用の基盤は自然であるため、自然観光は自然の価値を脅かさず、地域の文化を尊重した持続可能なものでなければならない。活動の持続可能性は、自然保護区の利用、自然観光と自然レクリエーション利用の継続性、地域の魅力の前提条件である。 自然観光と自然レクリエーション利用の生態学的持続可能性の評価は、研究機関によってオウランカ自然保護区とパアナヤルヴィ自然保護区で実施された。オウランカNPにおける持続可能な観光開発戦略の一環として、生態学的持続可能性の限界を決定するために「許容可能な変化の限界」という手法が用いられた。パアナヤルヴィ国立公園(Paanajärvi NP)では、廃棄物管理の実践と、廃棄物管理に対する住民意識の向上が図られた。持続可能な観光開発戦略(STDS)は、パアナヤルヴィ国立公園で、すでにオウランカ国立公園にあるものと一致するように開発された。STDSは、地域の生態学的・社会経済的開発の長期的持続可能性を達成するための手段である。STDSに取り組むことで、観光開発に関連する国境を越えた自然保護区と隣接地域の現状を客観的に評価し、地域全体の将来的な活動計画を策定することができる。
自然をベースとした観光と自然のレクリエーション利用の持続可能性について十分な評価を行うためには、国立公園の自然と社会経済状況に関する十分なデータが収集されていることが重要であった。国立公園とその周辺地域の戦略的計画の重要性に対する相互コミットメントと同様に、国立公園に影響を与える利害関係者との良好な協力が不可欠であった。長期的な持続可能性のためには、許容できる変化の限界を決定するための要因のモニタリングが不可欠である。
国立公園の持続可能な観光開発戦略を策定する方法論とプロセスについて、協力と理解の基盤を築くために十分な時間を確保することが重要である。また、早い段階からステークホルダーを巻き込み、彼らの意見や見解が考慮されていると感じられるようにすることも重要である。国立公園利用の真の持続可能性を達成するためには、ベースラインデータと情報の収集、関連要因のモニタリングが不可欠である。また、許容できる変化の限界は、新しいデータの収集に応じて修正できるようにすべきである。国境を越えた国立公園における作業方法と情報の共有は、国境の両側の国立公園に利益をもたらす調整された行動を改善し、国境を越えた国立公園の管理をより一致したものにする。 自然には国境がないため、このような国境を越えた協力は、生態系の持続可能性を確保するために不可欠である。