梁山原洞湿地における絶滅危惧植物の生息地保全活動

韓国の梁山(ヤンサン)にあるウォンドン湿地は、韓国の絶滅危惧植物であるViola raddeana RegelやPterygopleurum neurophyllum (Maxim.) Kitag.などの希少な生息地である。特に、Pterygopleurum neurophyllum (Maxim.) Kitag.の韓国唯一の生息地として知られている。ウォンドン湿地は洛東江の背後にある湿地で、かつては農地として使われていたが、自然の状態に戻された。しかし、ススキなどの植物が拡大するにつれ、絶滅危惧植物の個体数は競争により減少した。そこで、2つの絶滅危惧植物の個体数を増やすため、2023年2月(冬期)に市民とともに、競合種であるススキを含む草を刈り取るイベントを実施した。その結果、2種の植物の発芽率が上がり、生息域が拡大した。草刈りは2024年2月にも実施され、今後も毎年2月の発芽期前に実施される予定である。
影響
競合植物の除去を実施した結果、Viola raddeana Regelの発芽数は2023年には2022年に比べて63.5%増加し、2024年には2023年に比べて6.6%増加した。Pterygopleurum neurophyllum (Maxim.) Kitag.の場合、2023年には2022年に比べて24.7%増加し、2024年には2023年に比べて196.2%増加し、競合植物の除去に良好な効果を示した。さらに、個体群の分布域と分布群数も増加した。市民参加型の生息環境改善活動を通じて、自治体や市民とともに生息環境改善活動を行うことで、絶滅危惧種の生息環境を長期的に保全することを可能にしている。