地域住民によるマングローブの再生
IUCN @ Paul Aragón
コンキスタ・カンペシーナのエヒードは、気候変動に対する食糧安全保障と回復力を強化するため、マングローブ林とそれが提供する生態系サービス(生物多様性、水質、暴風雨からの保護)の回復を望んでいた。
まず、水路の開削が行われ、土砂の堆積によって被害を受けた地域に水を補給した。次に、劣化した地域で増殖植物の収集、移植、播種が調整された。修復のインセンティブとして「労働日数の支払い」(環境サービスに対する支払い)を通じて、こうした取り組みは地域社会にも経済的利益をもたらした。漁場では水面が改善され、集荷、漁業、住居に使用される地域では、コミュニティは風や高潮から身を守ることができた。さらに、家庭菜園(果樹園)、アグロフォレストリー、養蜂がいくつかの区画で実施され、家族が自家消費する生産物の多様化が図られた。これらのプロセスは、男女を問わずエヒードのメンバーにとって重要な学習手段となり、技術的な知識(マングローブの再生や植物の組合管理など)を習得するとともに、気候変動と保全、食糧安全保障の関係性について理解を深めた。