防波堤の計画と建設

物理モデルが実際の防波堤の最適設計を決定する。竹竿の強度は、フェンスの実地試験で検証した。竹の耐久性情報は、タイでの竹の使用経験から得られたもの。地元の人々は、計画された活動について知らされ、活動に参加する。技術支援のもと、地元の人々は天然素材(竹)を使って防波堤、すなわちT字型フェンスを建設する。透水性のT字型フェンスは土砂の投入を阻害せず、土砂堆積のための穏やかな水域条件を作り出す。長汀部は波を砕き、横汀部は長汀流に浮遊する土砂を受け止める。長浜部分の隙間は、満潮時にはフェンスによって形成された圃場への土砂投入を改善し、干潮時には開口部から排水が促進され、圃場の土壌固化プロセスを促進する。

設計と建設が成功するかどうかは、数値モデリング、海岸線の変化の観察、浸食の記録、T字型フェンスの建設と建設監督の健全な実施から得られる結果にかかっている。

フェンスの効果を確実にするためには、以下の境界条件を満たす必要がある:

  • 泥質環境;泥の最上層の中粒径d50<0.03mm
  • 有義波高Hs < 0.90 m
  • 平均波周期Tm < 8秒
  • 干潟の勾配が小さい < 1:1000
  • 建造物の頂上のクリアランス < 1.40 m

計画、設計、建設の各プロセスにおいて、技術部門、地方自治体、住民の参加を得ることは、受け入れ、支援、長期的なコミットメント、オーナーシップを確保するために重要であった。浸食された前浜を修復する最も効果的な方法は、透水性のT字型フェンスを使用することである。T字型フェンスは、土砂の堆積に適した穏やかな水環境を作り出し、浸食を軽減する。T字型フェンスの建設は、品質基準に従わなければならず、十分な監督が必要である。この費用対効果の高い方法は、特定の境界条件(下の図を参照)の中でのみ実行可能である。これらの制限基準をわずかに超える程度であれば、コンクリートポールでフェンスを強化するなどの適応策を検討しなければならない。制限基準を大きく超える場合は、T字型フェンスの使用は不可能である。その他の考慮すべき要素としては、風食が最小になるようなフェンスの位置、海岸線への近さ、シップワームによる被害を最小にするための水没期間の長さなどがある。水没の期間や波への露出も、維持管理に必要な労力に影響する。