最も重要な価値観と、それを守る方法について共通の理解を深める。

3回のワークショップを通じ、アラクワールの知識保有者は、優先すべき価値、最も重要な行動、そして成功の評価方法について確認し、議論し、合意を形成する時間を持った。

このプロセスを通じて、バイロンベイ・オーキッドとその生息地であるグラミノイド・クレイヒースの保護と保全が、最優先管理項目として特定された。どちらもアラクワールの人々にとって文化的意義があり、1999年オーストラリア環境保護・生物多様性保全法(Australian Environmental Protection and Biodiversity Conservation Act 1999)で絶滅危惧種に指定されている。NPWSとアラクワル族はこれらの価値を保護するために活動しているが、限られた資源と情報という課題に直面している。

このランとその生息地の文化的・生態学的価値を管理するための10の重要な活動が特定された。その活動とは、国内に人々を呼び込むための活動、粘土ヒースの生息地における雑草や侵入樹木の管理、種子や果実の収穫、近隣住民や訪問者の影響を軽減するためのコミュニケーションなどである。最も重要な活動のひとつは、ヒースの文化的焼畑で、雑草や侵入植物を制御し、再生させるために焼畑を行うことである。文化的焼畑とは、「土地と人々の健康を増進するためにアボリジニの人々によって開発された焼畑方法」(Firesticks Alliance Indigenous Corporation)と定義されている。

IUCNグリーンリスト基準を使用することで、価値の特定、行動の優先順位付け、成功の評価の方法を検討する機会となった。ワークショップは何カ月にもわたって開催され、全員が関連知識を持ち寄り、前回のワークショップの成果を振り返る時間も設けられた。優先順位の付け方では、その行動がどれだけ有益で、実施にどれだけの資源が必要かによってランク付けを行った。 これは、たとえ多くの資源が必要であっても、最も有益な行動が優先されることを意味している。

真の異文化交流を確実にするためには、当初からアラクワールのリーダーシップに基づく価値観と優先順位を明確にすることが重要だった。