気候変動に敏感な統合水資源管理(IWRM)とEbAのための協力管理に関する能力開発プログラム(CDP)

2019年に施行されたタイの水資源法は、タイの22の河川流域における河川流域委員会(RBC)の役割を強化した。さまざまな機関やセクターの代表者、市民社会や民間セクターを代表する水利使用者団体で構成されるRBCは、マルチステークホルダーによる流域基本計画(RBMP)策定の主要なアクターとなった。

その後、ONWRとGIZは、気候変動への適応とEbAを指導原則とする「気候変動に配慮した流域基本計画」を策定するために、RBCの技術的・制度的能力を強化することを目的とした包括的な能力開発プログラム(CDP)を策定した。

CDPは、(1)気候変動リスクと脆弱性の評価、およびRBMP策定におけるEbA計画サイクルの統合に関する能力開発、および(2)参加型アプローチに基づくRBMPプロセスにおける主要な利害関係者の管理とコミュニケーションのノウハウとスキルの強化を目的とした「管理と計画プロセスのファシリテーション」の2つの側面に焦点を当てている。

このノウハウを維持・拡大するため、CDPはトレーナー/ファシリテーター・プールの開発と、RBMP開発における主要なスキルセットを強化するトレーナー研修活動も支援している。

  • 国家水資源委員会(NWRC)の支援により、水関連機関にCDPへの参加を促す。
  • EbA導入の第一歩を踏み出したこれまでの国際協力に基づき、政府関係者や地元の利害関係者は、さらなる情報やノウハウの獲得に関心を示した。
  • 大規模なインフラによる水管理を、自然ベースの小規模な解決策で補完することを求める声や、気候変動の影響がますます顕在化していることから、国の水資源機関は新しい解決策をより積極的に検討するようになった。

このソリューションが完全に実施された後には、EbAの選定、設計、実施に関する総合的な技術的知識とスキルが強化されるとともに、関連する職員や組織のプロセスも強化されることが期待される。これは、マルチステークホルダーによる河川流域プロセスにおける重要な計画立案機関であるRBCが、気候変動に配慮したRBMPを策定するために必要な知識とスキルを身につけることに大きく役立ち、タイの持続可能な水管理の強化につながる。