気候変動への適応とEbAの水政策枠組みへの統合

気候変動への適応(CCA)とEbAを水政策と計画に組み込むことは、タイの水分野における気候変動へのレジリエンス(回復力)の中核をなすものである。その鍵は、水と気候変動に関する主導機関であるONWRとONEPの省庁間協力の強化であった。主流化と分野横断的な協力を強化するための取り組みには、以下のようなものがあった:

  • ONEPとONWRおよび水関連機関との政策対話や非公式な交流を通じて、タイの気候政策の枠組みや、EbAの基礎となる水分野におけるCCAについての理解を深める。
  • 水政策立案者が CCA と EbA をさらに主流化するための現在のレベルと可能な分野を特定 するための迅速な自己評価ツール(「5 次元フレームワーク」)を 開発する。
  • 水分野における適応の統合の必要性と利点についての理解を深め、EbA を持続可能で気候変動に敏感な水管理にとって不可欠な柱とするための政策提言シリーズを作成する。

気候変動に配慮した流域基本計画(RBMP)策定のための 国家ガイドラインを 作成し、タイの22の河川流域で5年間隔で行われる計画策定プロセスに、EbA、モニタリング・評価(M&E)、気候変動資金オプションを含む気候変動の側面を統合する。

  • 水と気候変動に関する主導機関であるONWRとONEPのハイレベル政策対話では、タイの気候変動に強い水資源管理を推進するためには、省庁を超えたマルチレベルの協力が必要であることが強調された。
  • 2019年から2020年にかけての極端な干ばつと、雨季の豪雨による洪水の増加により、気候変動への適応が政治課題の上位に位置づけられ、気候変動への適応を統合し、水管理をEbA解決策で補完する必要性について水部門の意識を高める好機となった。
  • 水資源管理と気候変動に関する政策や計画の整合性は、気候変動に配慮した水資源管理を統合的な方法で、同じ方向に進めるための重要な基盤である。
  • 省庁横断的かつマルチレベルの協力の必要性を強調し、交流する場を提供することは、気候変動への適応とEbAの水政策枠組みへの統合を強化するのに役立つ。