法執行および関連ニーズに対する直接的、迅速かつ柔軟な外部資金援助
野生生物犯罪対策のための国際的な資金援助の大部分は、ワークショップや会議、意識向上やコミュニティーの動員、一般的な設備やインフラ、実施NGOの諸経費に使われている。このような資金の使用条件は、対象国の政府ではなく、資金提供機関と実施NGOによって決定されることが多い。このような介入は重要な役割を果たすが、一般的には野生生物犯罪対策という核心的な課題に直接取り組むものではない。政府機関は限られた予算で運営されていることが多く、調達や承認の手続きにも制限がある。そのため、特に不測の危機的状況において、迅速な行動が妨げられることがある。外部からの迅速かつ柔軟な資金援助が直接政府の業務に反映されれば、こうした制約の多くを取り除き、政府職員の潜在能力を最大限に引き出すことができる。野生生物犯罪対策においては、政府の法執行機関や自然保護機関の職員が、どのような性質の事件にも迅速に対応し、与えられた任務を効果的に遂行することが可能になる。重要なのは、資金が官僚主義的な落とし穴にはまりやすい幅広い予算の一部になるのではなく、理想的には間接経費を最小限に抑えた現地の支援NGOを通じて、活動資金に直接振り向けられることである。
- 野生生物保護と法執行活動のための外部からの直接的な資金援助を受ける意欲のある政府
- 柔軟な資金提供パラメーターを持つ国際的な資金提供機関
- 政府から信頼され、野生生物犯罪対策に実績のある地元支援 NGO が、最小限の経費で資金を調達するためのパイプ役を務める。
- 政府の法執行・保護担当者が与えられた職務を効果的に遂行できるよう、 能力向上と個人のエンパワーメントを図る。
- 国際的な資金を確保し、それを政府の優先的な活動に振り向けるには、経験豊富で活動環境を理解した信頼できる現地の支援 NGO が重要である。
- 資金は、野生生物保護と法執行のために政府に義務付けられている活動に直接支出されなければならない。
- 常に迅速な対応能力を確保するため、資金は365日24時間、必要に応じて支出できなければならない。
- 小規模な試験的取り組みは、システムやアプローチをテストする上で貴重である。
- 主要な担当者間の強い関係は、望ましい結果を達成するために不可欠である。