

アルダブラ研究ステーションでは、セーシェル諸島財団が種と生息地の長期モニタリングプログラムを実施している。これらのプログラムの結果は、保全と管理戦略の有効性を評価し、助言するために使用される。ジャンヌ・モーティマーが立ち上げたウミガメの足跡監視プログラムは、1980年以来、アルダブラの外縁にある52の営巣ビーチで一貫して実施されている。毎朝、レンジャーが指標となる営巣ビーチについて、夜間に出現したウミガメの数と種類を記録する。アルダブラではウミガメに対する積極的な管理介入は行われていない。1968年から2008年までのデータを分析した結果、アオウミガメの個体数は500~800%増加し、推定で年間3100~5225頭のメスが営巣するようになり(Mortimeret al. このことは、ウミガメの営巣地が妨害されず、成体のウミガメが安全な保護区域を設定することが、特定の種の保護において極めて効果的な手段であり、主要な管理手法であるべきことを示している。これには営巣ビーチだけでなく、メスが連続して営巣を試みる間に留まる可能性のある周辺岩礁も含まれる。
長期的なモニタリングプログラムを実施するためには、標準化されたモニタリング手法が必要である。アルダブラでは、データ収集の正しい標準と手順を維持するため、新入職員は全員研修を受ける。組織的な記憶を保持するために、経験豊富なスタッフと新入社員がアルダブラでモニ タリングを実施する知識に自信を持てるように、引き継ぎ期間を設けている。
モニタリングの方法を詳細なガイドプロトコルに文書化することは、長年にわたって同じ評価手順を確実に実施するために必要である。アルダブラは遠隔地で孤立しているため、スタッフの入れ替わりが激しい。プロトコールがあれば、収集したものに関するすべての情報を新しいスタッフが簡単に入手できるようになる。プロトコルと明確な目的があることで、データは最大限に活用され、その価値を保つことができる。その結果、アルダブラでは、環礁で実施されている最も長いデータ収集プログラムのひとつであるカメのトラックカウント・モニタリングなど、すべてのモニタリングプログラムが文書化されている。