世界遺産コーディネーター
地域社会や利害関係者との対話と世界遺産プロセスへの参加を確実にするため、ノルウェーの政策では、各世界遺産物件に世界遺産コーディネーターを設置することを定めている。コーディネーターの役割は、国の機関と地方自治体、地域社会、利害関係者との対話と情報の流れを調整することである。この対話を促進する目的で、世界遺産コーディネーター、気候環境省、各局の間で年1回の会合が設けられている。ノルウェーの8つの世界遺産すべてに世界遺産コーディネーターが配置されている。
世界遺産コーディネーターは地元の利害関係者と協力し、世界遺産の顕著な普遍的価値やその他の価値を伝え、世界遺産とは何か、どのような要件があるのかについての地元の理解を深めることを目的とした啓発活動やアウトリーチキャンペーンを通じて、地元の能力を高めるとともに、開発と保全のニーズを両立させることの重要性にも目を向けている。
世界遺産コーディネーターは、ストーティングへの報告(白書)No.35 (2012-2013) The Cultural Heritage Policy (Chapter 4.8 World Heritage) and the Report to the Storting (white paper) no. 16 (2019-2020) の枠組みの中で設置される。
- 世界遺産コーディネーターは、登録物件における世界遺産条約の効果的な実施を確保する上で重要な役割を担っている。この任務には、条約の実施に適用される仕組みや知識の変化(運営指針の変更を含む)に常に対応することが必要であり、このため、世界遺産コーディネーターが知識や最新情報にアクセスできるようにすること、また能力開発活動(例えば、研修コースやサイト管理者のフォーラム)に参加できるようにすることが重要であることが証明されている。
- 世界遺産コーディネーターの仕事は、地域社会や利害関係者が世界遺産に関与し、その重要性や価値を認識している場合に効果を発揮する。コーディネーターの役割は、世界遺産に対する地元の理解と、世界遺産のプロセスへの地元の参加を強化することである。
- 毎年の世界遺産コーディネーター会議の設立は、国レベルからの情報の流れを確保し、コーディネーター間の情報の流れを確保するために不可欠である。