WPAの保護区管理当局は、PONTがMicrosoft Excelで作成したテンプレートを使用し、PONTへの助成金申請書の一部である年次運営計画と予算を作成している。これらの運営計画には、当該保護区の管理計画に定められた目標を達成するために、毎年実施される行動が記載されている。行動のほとんどは管理計画で特定されたものから選択されるが、追加行動は(毎年の)METT評価、経験からの学習、不確実性や変化への対応から生じる。運営計画は、さまざまな機能分野にリソースが適切に配分されるよう、経常的活動(ルーチン)と非定期的活動(プロジェクト)の両方を統合している。運営計画には、PONTからの共同融資を含め、既存の人員、技術、資金で達成可能な活動のみを盛り込む。
アルバニアと北マケドニアの保護区に関する国家当局があらかじめ作成したテンプレートを用いて、WPAの保護区は年次(運営)計画を作成し、国家当局による正式な承認を受ける。
予算がより詳細であることを除けば、PONTが作成したテンプレートは、国の法律で使用されているものと同様の内容となっている。PONTの助成金申請プロセスは、業務の重複を避けるため、国の制度計画および報告サイクルに沿っている。
北マケドニアでは約10年、アルバニアでは数年前から運営計画が使用されているが、管理と現場での作業はほとんど場当たり的で一貫性がない状態が続いていた。PONTテンプレートと定期的なMETT評価からの情報により、保護区の管理者はより現実的な年間運営計画と予算を策定できるようになった。PONTテンプレートは、生物多様性のモニタリング、パトロール、生息地の修復、環境教育、ビジター管理など、これまで軽視されがちだった基本的な機能分野に関連する人的、財政的、技術的資源の配備を、より詳細に計画するよう管理者に促している。これは、適切な手順やシステムが整備されていないため、特に経験のない機能や活動については、非常に困難な作業であることが判明した。