有機農業の試験的実施とシッキム・オーガニック・ミッションの立ち上げ

2003年から2010年にかけて、有機農業を支援するいくつかの試験的プログラムが開始された。その中には、農民が有機農法の研修を受け、地元の植物や牛の尿を使った堆肥、有機肥料、有機農薬などの有機投入資材を生産するバイオビレッジの実施も含まれる。この間、政府はバーミコンポストの建設にも多額の投資を行った。2009年までに、100以上の村がこれらのプログラムの恩恵を受け、州の4つの地区すべてで1万人の農家に行き渡った。

2010年に開始されたシッキム有機ミッションでは、有機農業を支援するために、能力開発、有機種子と植え付け資材の生産、種子と土壌の検査研究所の設立、ニューデリーでのシッキム有機小売店の運営、学校カリキュラムへの有機農業の組み込み、ナジタム(Nazitam)とメリダラ(Mellidara)の2つの州政府農場の転換、有機農業の実証と試験を実施するための有機センター・オブ・エクセレンス(Organic Centres of Excellence)の設立、失業した若者のための研修センターとしての3つの生計学校の立ち上げなど、多くの追加的な活動が実施された。

農民に高品質の有機種子を供給することを目的とした活動には、種子研究所の検査・加工施設の強化や、種子生産者との契約、政府による購入・流通、高品質の有機苗生産のための自動温室の設置など、さまざまな地域の有機種子開発プロジェクトが含まれる。

2016年、ガントークに国立有機農業研究所(NOFRI)が設立された。この研究所は有機農業の研究と教育を推進し、シッキムだけでなくインド北東部丘陵地帯全体の有機生産システムの研究と技術的バックアップを提供する。

認証もまた、このプログラムの重要な部分を占めている。2010年から2014年にかけての予算の80%は、有機農業の実践、要件、検査に関する農民、農村サービス提供者、認証機関の能力構築と、主に内部統制システムを通じた農民の認証取得支援に使われた。