BB3.MSPのシナリオ構築

海洋空間計画プロセスは、望ましい未来と共通のビジョンに向かって計画する。ビジョンは通常、さまざまな利害関係者やセクターからのさまざまな願望を統合したものであり、それらを支配するガバナンスの枠組みに依存する。シナリオの作成は、意思決定者が特定の行動や政策によって展開する可能性のある未来と、特定の未来を実現するために必要な行動や政策の両方を可視化するのに役立つため、非常に重要なツールである。 アゾレス諸島地域について、MarSPは、探索的アプローチ(「何ができるか」)と規範的アプローチ(「特定の目的をどのように達成するか」)の2つのアプローチの組み合わせに基づくシナリオ構築プロセスを採用した。

方法論は主に4つのステップで構成される(図1):

(i) 政策レビューに基づき、利害関係者の意見に従ってMSPの目標を設定する(BB2);

(ii) 地域の専門家との協議を経て、主要目標を特定する;

(iii) シナリオ・ストーリーの作成。

(iii) シナリオのストーリーラインの作成、(iv) エンゲージメント活動((i)シナリオに関する投票、(ii)シナリオのストーリーラインを構築する文章に関する投票を含む)を通じて収集したステークホルダーからのフィードバックに基づく、シナリオ間のバランス調整。

  • 利害関係者の参画方法論がプロセスの初期に定義され、プロセスのさまざまな段階をつなぐ。
  • 参加型プロセスに基づいて構築されたMSPのビジョンと目標が存在することで、地域により適したシナリオを構築することができた。
  • 専門家や利害関係者が参加し、その結果を共有するためのワークショップがこれまでに開催されたことで、参加や協力への意欲が高まる道筋ができた。
  • 専門家による環境、社会、経済のテーマによる目標の分類は、強固なストーリーラインを作成するための基礎となった。

提案された3つのシナリオ(経済シナリオ、環境シナリオ、社会シナリオ)のうち、ステークホルダーは環境シナリオに投票した。しかし、経済シナリオの方がより多くの文章を選択している。これは、参加者が理想的には環境保護に意欲的であるが、そのシナリオを実際に実現するために必要な行動をとる意欲は低いことを示唆している。