EbA計画の基礎としての参加型脆弱性評価
エコロジカル・ドローイングによる村の地図作成
Shaun Martin
この段階は、人々と生態系の従来の(非気候的な)脆弱性に関する情報を評価することを目的としている。キルギスのナリン県とタジキスタンの西パミリ・バルタン渓谷の4つの村で行われた調査では、以下のような問題が取り上げられた:
- 地域住民が利用する生態系サービスとその空間的・時間的分布
- 生態系サービスの利用可能性、生態系の健全性と機能、および認識されている変化
- 生計の脆弱性と生態系サービスの状態および利用可能性との関連性
- 気候変動に対する認識と生態系サービスの利用可能性への影響
- 当該地域におけるEbAに関連する法的/制度的/行政的/技術的/情報的欠陥の評価
フィールドワークは、プロジェクトを紹介し、主要な利害関係者、村民の関心やニーズを確認するための村のワークショップから始まった。情報収集は、住民や主要情報提供者とのインタビュー、グループ討議、現地調査(村の散策、地図作成、サンプリング)、参加型資源マッピングによって行われた。全体的な脆弱性を評価するため、生態系サービスの利用可能性と地域生活への貢献度を比較ランク付けした。
- アセスメント前の詳細なスコーピング(ステップ1):コミュニティの選択、生計戦略、生態系サービス、それぞれの生態系の(事前)特定
- 村人や主要な情報提供者を含む参加型アプローチ
- 簡単な言語(プロジェクト用語以外)での村落ワークショップの実施
- 外部の専門家による単独のVAは避けるべきである。今後の計画に必要な情報の大半は、報告書からだけでは得られない。
- 開発されたEbA手法は、本格的な脆弱性評価からなる:ステップ1~4(スコーピングと従来の脅威の特定)、ステップ5(気候の視点)、ステップ6(脅威の優先順位付け)、ステップ7(状況の要約)である。
- 人々の脆弱性を特定することは、むしろ簡単である。しかし、関連する生態系の脆弱性を特定し、自然そのものが適応できるようにすることは、データ不足や時間的制約のために困難を伴う。
- 社会的格差は、気候の脆弱性を社会的な生計の脆弱性にしている。水への不平等なアクセスは生計の社会的脆弱性を増大させる。EbA戦略は、社会的に補償された資源へのアクセスに取り組まなければならない。
- スコーピング:対象住民のライフサイクル全体(例えば夏の牧草地)をカバーするために、プロジェクト地域を拡大することが重要である。