神聖な場所(森林や寺院)の管理について、宗教団体に自治権を認める。
紀伊山地の霊場が(国立公園の一部として)文化遺産と自然遺産に指定され、後に生物圏保護区に含まれ、最終的に世界遺産の一部となるまでの全過程を通じて、宗教団体は、宗教的信念と神聖な価値観に基づき、何世紀にもわたって伝えられてきた伝統的知識に従って、その保護と管理を公式に認められてきた。例えば、原生林はその神聖な性格から、さまざまな宗教団体によって厳格な伐採禁止のもとに保護されてきた。 真言宗では、山の風景は物質化された「曼荼羅」と解釈され、修験者はこれらの自然環境の中で巡礼や修行を行うことによって「曼荼羅」を再現している。巡礼者にとって、紀伊山地は地上の楽園である。もうひとつの例は、文化財保護法の「天然記念物」に指定され、熊野那智大社が聖地の一部として管理している那智の聖なる森である。那智の滝は神聖視されている。つまり、聖なる水に触れたり、迂回させたりすることはできない。
- 自然の神聖さの信念に基づく永続的な文化的慣習、伝統的知識、地域知識。
- 文化財保護法や自然公園法に基づく法的保護は、宗教に基づく保護と矛盾する枠組みを課すことなく、伝統的な自然と人間の関係を後退させ、維持するように設計されている。
- 紀伊山地の原生林は、1,000年以上もの間、神聖さによって守られてきた。宗教的スチュワードシップが森林保全の伝統を実践し続けることが、保全プロセスを促進する。
- 原生林を継続的に保護するためには、伝統的な知識と地元の人々の精神的価値を守ることが重要である。