
自然資源の持続可能な利用を通じた、災害に強い生活、洪水・干ばつ対策

モノ・デルタにおける越境生物圏保護区(TBR)」プロジェクトは、モノ・デルタにおける生物多様性と生態系サービスの保全と持続可能な利用を目指すと同時に、地域コミュニティの持続可能な発展にも貢献する。森林資源と漁業資源の持続可能な管理のための施策の導入は、洪水や干ばつといった既存の気候問題に直面する地域住民の回復力を高めることに貢献する。
コンテクスト
対処すべき課題
この地域の気候は、降水量の変動が大きいという特徴があり、洪水や浸食、それに伴う河川の沈泥といった悪影響がますます大きくなっている。洪水は干ばつと交互に発生し、地域住民とその財産に損害を与え、この地域の不作リスクを高めている(2010年の洪水など)。地域住民の大半は貧困ライン以下で生活しており、自然資源に大きく依存している。それにもかかわらず、生態系サービスの利用可能性は、土地の持続不可能な利用によって影響を受けている。水の調節、洪水防御、住民の生活に対する生態系サービスの重要性は、行政当局によってほとんど認識されていない。この地域はナンベト・ダムの下流に位置し、その管理は川の流れに大きな影響を与えている。また、この地域の上流には2つ目のダム(アジャララ)が建設中である。
所在地
プロセス
プロセスの概要
受益者のオーナーシップとアプローチの持続可能性を確保するため、保護区とその管理ルールは参加型の方法で設定された。これらの保護区のコアゾーンとバッファゾーンは、地元の管理組合によって管理される(ブロックI)。個々の保護区をより広範な空間計画に統合するため、開発計画への生態系サービスの統合に関する研修を地域当局が受けている(第2段階)。このアプローチにより、移行帯の管理が改善され、保護区のコアゾーンとバッファゾーンにも好影響を与えることになる。
ビルディング・ブロック
地域主体による参加型自然資源管理
実現可能な要因
教訓
生態系サービスを開発計画に組み込む
実現可能な要因
教訓
リソース
影響
GIZプロジェクトの支援を受けて2016年に設立されたモノ越境生物圏保護区は、モノ川が形成するベナンとトーゴの国境沿い3499km2をカバーしている。保護区のうち434km2は緩衝地帯として指定されており、自然資源の持続可能な利用に重点が置かれている。持続可能な資源管理活動の実施は、まだ始まったばかりである。地域住民のリスク軽減という観点から期待される影響には、以下のようなものがある:- 漁業や林産物(ジビエ、NTFP、木材エネルギー...)を含む生態系サービスに基づく生計と収入創出活動の確保。収入創出活動の多様化:異常気象によって農業生産が減少する可能性に直面した場合、森林や漁業資源の持続可能な利用に基づく代替活動がより重要になる可能性がある。
受益者
受益者には、両州、自治体(コミューンや県)、地域住民、伝統的・宗教的権威が含まれる。
持続可能な開発目標
ストーリー

モノ・デルタは定期的に洪水に見舞われている。この状況は、堤防の浸食による水路の沈泥によって悪化している。しかし、生物圏保護区内のマングローブ植林は、洪水が地域住民に与える悪影響を緩和している。トーゴの地元管理組合の1つであるアシオン・アナニ会長によると、以前は事実上すべての村に毎年水が侵入していたという。水路の堤防に植えられたマングローブは、水路を安定させ、浸食や川の沈殿を防いでいる。そのため、洪水やその結果村にもたらされる被害の規模を小さくすることができる。地域自治体もまた、インフラを保護する森林の調整機能から恩恵を受けている。ベナンのアティエメ・コミューンの市長であるアマビ・ジョセフ・アナニ氏は、モノ川の氾濫はすでにインフラ、特に道路に大きな破壊的影響を及ぼしていると説明する。中央政府からの多額の投資を待つ代わりに、市議会は洪水の影響を軽減するために川沿いにマングローブの植林を開始した。この生態系に基づく対策は、低コストの解決策であることが証明されたため、財源がかなり限られている政治的状況に非常に適している。